医療事故から学ぶ部屋

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(19)医療事故再発防止のための要望書

福島県病院局長殿

平成20年8月20日

医療事故再発防止のための要望書

謹啓
 残暑の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 ところで、私は2004年12月17日、県立大野病院での帝王切開の事故で、最愛の娘を亡くしました。執刀医の逮捕後、様々な医師団体が、逮捕を不当と抗議し、医療崩壊を訴える声明文を出しました。しかし、被害者側から見ると、こうした声明文は医療者側に偏りすぎているように感じ、事故の原因究明や再発防止の検討がなにもなされないままに終わってしまうのではないかと不安を覚えます。
 私は娘が亡くなるまで、医療に絶対的な信頼を持っていた一人でしたが、死亡後は日を重ねるごとに医療に対し、不信感を深めるばかりです。また、事故後3年7ヵ月が経過しましたが、県立病院を管理・監督する立場にある県病院局も具体的な動きが見えず、このままでは「再び事故が発生するのでは」と懸念しております。
 つきましては、「大野病院で命を落とさずに済んだであろう亡き娘」の父親として、再発防止の観点から、下記の点について要望させていただきます。ぜひ、県の管理・監督のもと、トップダウンにて具体的かつ実効性のある事故防止に努めてくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
 なお、この要望書に対して、県としてどのように対応なさるか、ご返答をいただきたく存じます。ご連絡をいただきましたら県庁にまいりますので、できるだけ早いご返事をお待ちしております
謹白

2008年8月20日

要望

1.周産期医療システムの運営状況の検証と見直し
 @ 各センター病院がその役割を果たしているか運営状況を検証する。
 A 事故再発防止のために、周産期医療システムの内容を見直す。

2.各医療機関の役割を明確化するルールをつくる(各診療科ごと、横断的に)
 @ 県病院局、県立医大、拠点病院、地域の医療機関の役割を明確化する。
 A 医師の経験や医療設備に見合わない、難しい手術などを行わせない。
 B 県立医大、拠点病院、地域病院の連携を強化する。

3.医師の教育・ルール遵守の徹底
 @ 2.で明確化したルールを遵守するよう医師教育を徹底する。
 A ルール違反者には再教育をおこなうなどペナルティを設ける。

4.医師の計画的な配置
 @ 一人医長はつくらない
 A 経験不足の医師ばかりにさせず、かならず指導的立場の医師と仕事をさせる。
 B 産科施設には必ず小児科医も派遣するなど、医療連携を考えた医師配置にする。

5.患者情報の管理の徹底(電子カルテの導入など)
 @ ハイリスク患者や、連携して治療が必要な患者の情報を病院間で共有する。
 A 県立医大、拠点病院が、難しい患者の診療をアドバイスする仕組みをつくる

6.手術におけるビデオ記録の保存
 @ 遺体解剖の有無を問わず、事故を検証する有力な証拠となる。
 A ビデオ撮影記録のない手術は、改ざん・隠蔽と同等の扱いとする。

7.風土改革
 @ 医師以外の医療スタッフの声を聞く、話せる環境づくりを進める。
 A 改善要望をボトムアップで吸い上げられる環境づくりを進める。
 B 不正があれば内部告発ができ、告発者をフォローする体制づくりを進める。

8.その他
 @ 手術のリスクなどを含め、インフォームド・コンセントを徹底させる。
 A 患者にセカンド・オピニオンの制度があることを周知徹底させる。

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