たばこの部屋

 あなたは次のタイプのどれだろうか。指図されるのが大嫌いな個人主義型?ほれっぽく三日坊主の熱中型?
 万事きっちり計画するきちょうめん型?
 それとも、親分あねご型?

 「禁煙志願者をこの4つのタイプに分ける。それから、性格にあわせて禁煙を支援する。そうしたら、15%だった成功率が70%に上がった。お試しを」と、東京で開かれた国際シンポジウムで、スウェーデンの歯科衛生士マリア・セーゲルストレームさんが呼びかけた。

 たばこの害といえば、日本ではがんや心臓発作を思い浮かべる人がほとんどだが、海外では歯を失う元凶として早くから注目されてきた。
 米国の歯科医師会は「会員は、患者に対し喫煙の悪影響について助言し、若者には喫煙習慣をもたないように警告するように」との宣言を1963年に採択した。
 20後に調査したら、会員の7割が患者に禁煙を助言するようになっていた。歯科医自身の喫煙率も、60年代には5割だったのが、今では1割まで減っている。10月に香港で開かれた世界歯科大会でも、禁煙推進部会を発足させることが決まった。

 歯科分野の専門家が喫煙を問題にするのは、それが歯槽膿漏(しそうのうろう)を招き、歯が抜ける原因になるからだそうだ。
 煙に含まれる物質のせいで、歯肉の血のめぐりが悪くなったり、だ液の分泌が減ったり、細胞が変化したりするためだ。

 スウェーデンの歯科衛生士には診察し病名をつけ歯科医に紹介する権限がある。むし歯や歯周病予防の主役でもある。
 冒頭の「人を見て禁煙を説く法」は2人の歯科衛生士の着想をもとに、行動科学者や心理学者が加わって完成した。

 「そんなことをされたら仕事が減る」と心配する歯医者さんも、ごくごくまれにはいるそうだけれど。

〈雪〉

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