千葉・ちいき発

条例を見守り応援しよう No.5
『条例のある街』(研究会座長 野沢和弘さん著)特集号

 2月2日〜4日、滋賀県大津市でアメニティフォーラムが開かれました。全国から1300人もの福祉関係者が集まりました。その2日目に浅野史郎さんが登壇して、千葉県の条例について語りました。本当は堂本暁子知事との対談だったのですが、堂本知事がどうしても出席できなくなり、急遽、埼玉県立大の佐藤進教授らが登壇してくれました。
 佐藤教授は「やっぱり必要! みんなで作ろう」にも登場して千葉の条例をずっと応援してくれた人です。「みんなで作ろう」の最終号である第60号を、1300人の前で朗読してくれたそうです。
 そのシンポジウムを聴いていた人の報告を紹介します。会場の熱気が伝わってきそうです。


 フォーラム第二日目、プログラムによるとA,B共通のシンポジウムとして堂本さんが参加されることになっていたのですが、ダブルブッキングとかで、参加できなくなり、ビデオメッセージでの参加となりました。堂本さんのビデオは千葉県しょうがい者差別禁止条例を作るまでの経過を話されたのですが、それはそれは会場の1300人の参加者にインパクトを与えました。
 「差別を受けたことがありますか?」という問いかけに対して、800の回答があり、それを参考にこういうことが差別なのだと定義し、2月に上程したけど、学校や企業からの反対にあって、いったんは引っ込めました。それから、勉強会を23回重ねて修正協議をし、9月の県議会にかけました。そのときには、170の傍聴席が全部埋まりました。とのこと。

 司会の川名さん(朝日新聞の論説委員)が野沢和弘さんの本「条例のある街」(ぶどう社)をぜひ読んで欲しいと訴えました。これは、千葉のしょうがい者差別禁止条例ができる過程を書いたものです。

 浅野史郎さんは、「千葉より一日だけでいいから早く差別禁止条例を作るように」と県職員に指示を出したけど、議論百ふつで、とてもまとめることができないまま退職となってしまった、と話されました。そして、堂本さんのお話で、修正協議というものがいかに大変なものなのかがわかったことから、浅野さんがいいました。
 賛成か反対かだけだったら、何にも理由を言わなくていいけど、修正ということになれば「あんたが嫌いだから」なんていうことはいえなくなり、キチンと内容の吟味をしなくてはならない。それでやっと県議会の本来の姿、つまり条例を作るための議論の場、となることができたとのことでした。一つ一つ差別の定義から、加害者には、懲罰を与えるのかとか、大変な議論になったということでした。去年の2月に否決されたものを修正して、10月には、修正協議を終わらせて、成立にこぎつけたのですから、関係者たちのエネルギーは大変なものだったでしょう。
 野沢さんの本について浅野さんがこういったんですよ。「読んで3回以上泣かなかったら人ではない」。私も早速注文しました。差別をした人に懲罰は与えず、差別がなくなっていくようにと配慮したと言うことでした。
 浅野史郎さんのホームページでは、浅野さん自らがアメニティフォーラムのことをこのように書いています。


 フォーラムでは、毎回、コーディネーターを務めていたが、「街づくり」のセッションでは、川名紀美朝日新聞論説委員がコーディネーターで、私、平野みどり熊本県議会議員、佐藤進埼玉県立大学教授がパネラー。主に、千葉県の障害者差別撤廃条例に関して話した。野沢和弘さんが書いた「条例のある街―障害のある人もない人も暮らしやすい時代に」(ぶどう社)を、東京から京都までの新幹線の中で読んで、書評を書き終えたばかりで、このセッションのパネラーを務めることになった。読んでいて、涙が止まらないところが三箇所ほどあった。おかげで、新幹線の車窓から富士山を見るのを忘れてしまうほど。

条例を見守り応援する会(代表:池田徹)
(呼びかけ人)山田晴子(船橋市)赤津保子(船橋市)宮代隆治(船橋市)竜円香子(市川市)村山園(市川市)田川正浩(市川市)池田徹(千葉市)米田修(千葉市)久保田美也子(千葉市)神恵美子(習志野市)吉原久喜(松戸市)国生美南子(四街道市)関口幸一(袖ヶ浦市)吉野真理子(八千代市)辰巳鉄次郎(市原市)鎗田敏光(東金市)細渕宗重(旭市)土田修二(いすみ市)竹蓋伸六(香取市)高村リュウ(千葉市)小林博(千葉市)木村潔(茂原市)
♪条例を見守り応援する会の入会、『条例のある街』のお問合せは以下のアドレスまでどうぞ。
 ouensurukai_z@yahoo.co.jp

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