千葉・ちいき発

条例を見守り応援しよう No.4
『条例のある街』(研究会座長 野沢和弘さん著)特集号

 健康福祉千葉方式と名づけた福祉改革が始まって5年になります。その特徴は、障がいや高齢、児童などの分野を横断して施策を検討することと、その施策をつくる最初の段階から当事者を含めた県民が参画し、行政との協働を進めることです。分野横断の施策づくりの過程で、これまで分野ごとにばらばらで顔をあわせることすらなかった人たちがおおぜい出会いました。私自身、この間の多くの人たちとの出会いは自分の人生にとって何ものにも代えがたい宝物です。また、行政は要望や陳情をする相手と思っていた多くの人が、自分で施策づくりをするために夜な夜な県庁に出かけたり、タウンミーティングの準備をするようになりました。
 そうした5年間の蓄積が、条例を成立させる原動力になったのです。
 「民主主義は、民が汗して創り上げるもの」ということを私は学びました。この過程にかかわった多くの人が、同じ思いを共有していると感じます。
 また、この条例によって、健康福祉千葉方式は新たな段階にはいったと思います。これまでの諸計画は県民と行政の協働によって策定され実施されてきたのですが、今回は初めて県議会という場で議論されました。ある議員は、「一つの条例について、こんなに議論したのは初めて」と述懐なさったそうです。恐れ多い言い方ですが、県民と議会のあり方にも一石を投じたと思うのです。
 「条例のある街」は、障害者差別をなくす研究会座長の野沢和弘さんが書き下ろしたものです。野沢さんにしか書けない裏情報も知ることができます。是非、ご一読下さい。「条例のある街」に入谷鬼子母神の朝顔が登場します。野沢さんが7月6日に買った朝顔を、堂本知事と共に、私も一鉢いただきました。「あとがき」によると、条例成立から1ヶ月過ぎたあとも「しぼんだままくっついていた花には、まだ鮮やかな青色が残っていた」そうです。
 実は、私がもらった朝顔にも、嘘のようなでき過ぎの後日談があるのです。空色、薄あずきいろ、白の3色が行灯仕立てになったその鉢は、毎朝色を変えて咲き続けました。しかし、季節も変わり花をつけなくなった鉢は、すっかり葉も落ちて掘り上げるばかりになっていました。ところが何と10月11日、そうです、条例が成立したその日の朝、小さな空色の花を一輪咲かせたのです。日本発の条例がこの千葉県で成立した奇跡の陰に、もう一つ、ささやかな奇跡がありました。

(条例を見守り応援する会代表 池田徹)

♪♪私も読みました♪♪

 野沢さんが書かれた「条例のある街」を読みました。これまでの歩みを、条例に関わったみなさんといっしょにたどり直したという気持ちです。読み終えた今、人も社会も変わり得ると実感しました。私は息子のあきらといっしょに、障害があることでつらく悲しい思いをする、そんな社会を変えたいと強く思ってきました。そう思っているみんなの願いが条例案という形になりました。そして1人1人が手の届くところから、一歩ずつでも周りを変えることができたからこそ、条例が成立したのだと思います。修正前の原案もしっかり書かれていることが嬉しいです。条例を地域に活かすスタート地点にあたり、「条例のある街」は私たちの原点になってくれると思います。

(船橋市 山田晴子)

♪♪私も読みました♪♪

 条例が出来るまでのエピソードひとつひとつに胸を熱くし、議会の様子を思い出しながら、一気に読みました。"健康福祉千葉方式"の誕生が、誰もが暮らしやすい街づくりへの、そもそもの始まりだった、ということを再確認しました。冒頭に、「この本は、日本で初めて、障害者への差別をなくす条例をつくろうとした人々の物語である」「数百人、数千人の人々がかかわって作られた、その誰一人を欠いてもこの物語は完成しなかっただろう」とあります。いち県民として誇れるこの言葉を胸に刻み、"条例のある街"ってどんな街?を想像しながら、地道に地域活動をしていこうと思いました。…一家に一冊!の本ですよ。
(市川市 村山園)

条例を見守り応援する会(代表:池田徹)
(呼びかけ人)山田晴子(船橋市)赤津保子(船橋市)宮代隆治(船橋市)竜円香子(市川市)村山園(市川市)田川正浩(市川市)池田徹(千葉市)米田修(千葉市)久保田美也子(千葉市)神恵美子(習志野市)吉原久喜(松戸市)国生美南子(四街道市)関口幸一(袖ヶ浦市)吉野真理子(八千代市)辰巳鉄次郎(市原市)鎗田敏光(東金市)細渕宗重(旭市)土田修二(いすみ市)竹蓋伸六(香取市)高村リュウ(千葉市)小林博(千葉市)木村潔(茂原市)
♪条例を見守り応援する会の入会、『条例のある街』のお問合せは以下のアドレスまでどうぞ。
 ouensurukai_z@yahoo.co.jp

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