「障害者入所施設等のあり方研究会」報告の概要

研究会の位置付け等
○ 「障害者入所施設等のあり方研究会」は、「第三次千葉県障害者計画」(平成16年7月策定)を官民協働で実行する仕組みの1つとして「第三次千葉県障害者計画推進作業部会」の下に設置されたもの。
○ 19名の公募委員により8ヶ月、計13回にわたり議論。この間、障害を持つ当事者のヒアリングも実施。
○ 国の制度改正(障害者自立支援法案)の詳細は明らかにされていないが、県における実態を踏まえつつ、研究を行うことは有意義であるため、国の制度改正と同時並行で議論。
基本的な考え方
○ 「障害者にとって入所施設で生活することが一番の幸せ」という立場も「入所施設は解体すべき」という立場も前提にせず、「障害者がその人らしく地域で暮らせるようにするために入所施設はどういう役割を果たせるか」の観点から議論。
○ これまで、入所施設が大きな役割を果たしてきた背景には、@地域の社会資源が質・量ともに脆弱であったこと、A利用者の意向を踏まえてサービスを選択するためのケアマネジメントの仕組みが未整備であったこと、があり、入所施設のあり方を考える上で、まずこれらの課題の解決が必要不可欠。
入所施設の新しい時代における役割・機能
1.入所施設の将来的な方向性
○ 生活支援機能(居住部門)については、@グループホーム等での生活が可能となる有期限訓練、A行動障害を持つ自閉症児(者)や医療的ケアの必要な重症心身障害児(者)等に対する専門的支援、を想定。
○ 日中活動機能、地域生活支援機能も含めて、特定の利用者の固定的な利用を前提とせず、地域の社会資源との連携の下で支援。
2.入所施設の利用が有効なケースの分析・評価
○ @施設職員の特別なノウハウ等を要する専門的な支援が必要な場合、A緊急時のショートステイなどニーズの変動が大きい一時的利用の場合等において入所施設の利用が有効であり、地域の社会資源が十分でないため入所施設を利用せざるを得ないケースについては、速やかに新たな社会資源を開発すべき。
○ 市町村やケアマネジメント関係者、入所施設関係者等に対しこの内容を周知し、支援費の支給決定等に反映。
3.入所施設の適切な利用を担保する仕組みのあり方
○ 障害者ケアマネジメントの仕組みを強化する中で、社会資源の1つとして入所施設の適切な利用を担保することが必要。関係者の共通認識の下で不足する社会資源の開発を促す仕組みとして、障害保健福祉圏域ごとの連絡調整会議の立上げを支援。
○ すべての入所施設は、利用者に対する個別支援計画の策定と定期的な見直しを行うことが必要。
4.施設利用者を地域移行しやすくするための施設運営のあり方
○ すべての知的障害者入所施設は、施設外自活訓練事業の実施と、地域生活支援業務を担当する職員を配置。
5.施設利用者の日中活動のあり方
○ 利用者の個別のニーズに対応した日中活動を柔軟に提供するため、関係者の連携により入所施設と福祉作業所等の社会資源を組み合わせた利用を可能とする。
6.地域の利用者に対する施設機能の開放のあり方
○ ショートステイ等を実施していない入所施設は、障害保健福祉圏域地域の連絡調整会議と連携し、障害者のニーズを踏まえて適切に実施。
○ 社会福祉施設の運営費補助の体系を見直し、一定数以上のグループホームを有する運営主体が専任職員を配置する場合の補助制度を創設。
7.障害特性に応じた特別な機能
○ ろう重複障害者、自閉症、重症心身障害児(者)については、障害の特性や地域での支援体制が脆弱であることから、特に入所施設の有効性が高いとの議論があった。ただし、従来主として入所施設の役割とされてきた様々な機能について地域で代替できる社会資源の開発も進めるべき。
国の障害者施策に対する提言
○ ショートステイやデイサービスについて、入所施設以外でも展開できるように、適切な基準単価の設定を行うべき。
○ 在宅の障害者が入所施設を経由しないで円滑にグループホームに移れるよう、体験入居の仕組みを創設すべき。
○ 医療的ケアが必要な障害者に対する医療的ケアについては、緊急時等一定の要件の下で施設職員が行うこと等を認めるべき。
報告書の取扱等
○ 報告は「第三次千葉県障害者計画推進作業部会」の議論を経て、県の施策として段階的に具体化。
 (新たな事業の創設、市町村・事業者等関係者への助言・指導等)
○ 入所施設のあり方に関する研究は尽きることはない。今後、民間団体に議論の場を移し、必要に応じ県職員も参加して研究を続行。
 (「健康福祉千葉方式」の新たな段階)