千葉・ちいき発


やっぱり必要、みんなで作ろう!13

vol.13

 条例案に対する質問や疑問が緊急勉強会などで出ていますので、ニュースレターでも適時、Q&Aを掲載していきます。疑問があれば何でもお寄せください。

Q&A 障害児や親の意向で進学先が決められるのですか?

 一部の教育関係者から「この条例は親のわがままを認めることになり、進路指導の現場が混乱する」などという懸念の声があります。条例案の中には分野ごと差別事例が明示されていますが、教育分野では「本人又はその保護者が希望しない学校への入学を強いること」「本人又はその保護者に過重な人的負担、物的負担又は経済的負担を課すこと」などの文言があるからです。しかし、そうした懸念は誤解に基づいています。

 近年の国や県の教育施策は、特別の場で指導を行う「特殊教育」から、場にこだわらず一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う「特別支援教育」への転換がうたわれています。
 一方、地域の普通学級へ通いたいという思いも多くの障害児や家族にあります。統合教育を進めている地域は県内外にあり、障害児だけではなく周囲の児童・生徒にとってもよい影響を与えていることも多くの事例が物語っています。
 ただ、学校教育法施行令では教育委員会が障害児の就学先を通知する「認定就学制度」が定められています。条例は法律の範囲内で制定されるというルールがあり、この条例案も学校教育法の規定を前提に、その過程で本人や保護者の意向に十分配慮し、納得を得ることを求めるものです。
 裁判の判例でも、「就学先の決定権が教育委員会にあることは、子どもや保護者の意向を排除し、教育委員会の判断のみで専断することを許容するものではない」(札幌高裁判決、平成6年5月)とされています。

 こうした諸事情を慎重に勘案したうえで、条例案は障害のある子供にふさわしい教育の場を提供していくことを目指したものです。その子にふさわしい場所などを、教育委員会と親とか協力しながら作り上げることを目指しています。ともすれば親と教育委員会が感情的な対立を生じやすい状況に、第三者(県の指定機関や差別解消委員会)が仲裁に入ることで、解決に向けて実りある対話が実現できるようになります。教育委員会にとっても有益な条例になるはずです。

(文責・野沢和弘)

<呼びかけ人> 田上昌宏(千葉県手をつなぐ育成会会長)/竜円香子(同権利擁護委員長)/大屋滋(日本自閉症協会千葉県支部長)/土橋正彦(市川市医師会長)/植野慶也(千葉県聴覚障害者連盟会長)/野内恭雄(千葉県精神障害者家族連合会会長)/成瀬正次(障害者差別をなくすための研究会委員・全国脊髄損傷者連合会副理事長)/佐藤彰一(同・法政大大学院教授)/高梨憲司(同・視覚障害者総合支援センターちばセンター長)/野沢和弘(同・全日本手をつなぐ育成会理事)
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