千葉・ちいき発


(参考)意見交換を行った関係団体の方からの主な意見

※ これらの意見には、団体を代表しての発言のほか、個人的な意見も含みます。
団体名 意見の概要
(社)千葉県経営者協会 《取組みなどの状況》
・「株式会社という利益を追求する団体で、障害者とともに歩んでいくにはどうしたらよいか」ということをいつも模索している。
・全国でも、障害者雇用は西高東低の傾向があり、千葉県ではまだ取組みの弱い事業者が多いのが正直なところである。
《意見・提案》
・学校教育の中で一番大事なことは、計算や動作が速い・遅いということではなく、何十年という長い間、職場の仲間と協力して働くことができる資質・社会性の養成である。
・With themすなわち「彼らと共に生きる」ということは、まだ障害のことを意識してしまっていること。Weという形で全体が一つになることが障害者問題の到達点ではないかと思う。
日本労働組合総連合会千葉県連合会 《取組みなどの状況》
・全国レベルでは、政策提言の中で障害者雇用と福祉に7〜8pを割いて提言している。
・「何でも労働相談ダイヤル」で全国レベルでの相談を平日9時半から5時半まで行っている。年に何回かは休日も行っている。相談者から多い相談は、賃金と解雇の問題。「連合千葉ユニオン」という一人から加入できる労働組合に入っていただき、最後まで解決を図っている。
・施設のハードが対応できていなかったり、研修に参加できないなどの不利益がある。その都度要求して改善してきている。
《意見・提案》
・障害は悪化することもあるので、それでも仕事が続けられる仕組みを考え話し合うことが必要である。
千葉県中小企業家同友会 《取組みなどの状況》
・企業はあくまで利益追求のために活動せざるを得ないので、経営者の側はやり玉に挙げられがちで尻込みしてしまうことが多いのが正直なところである。
・健常者とは違うアプローチは、教育が必要だということ。養護学校でも教育しきれなかったことを企業で教育して働かせている実情がある。
・障害者雇用義務のない中小企業でも一生懸命取り組んでいる企業があることを知っていただきたい。
《意見・提案》
・障害者というだけで、面接も受けられず就職の機会さえ奪われ、採用後も一般人ならば解雇されないような小さなトラブルで解雇されてしまう。何らかのケアを含めて同じテーブルで話し合う場が要。
・差別という後ろ向きな考え方よりも、「このような良い事例があった」というようなことを広める仕組みが大事ではないか。
・障害者差別を企業による差別とのみ考えるのではなく、職業教育と就業支援のありかたについて、家族や教師など全員で取り組むべき。
千葉県小学校長会 《取組みなどの状況》
・特別支援教育に求められる体制とは、最終的には校内支援体制である。できることから具体化していかねばならないと認識している。しかし、校内の資源だけでは限界があり、現状では対処が極めて困難である。
・管理職研修、校内研修を行っている。お題目に終わらないよう、校長などの管理職から一般教職員まで、意識改革を共有化し指導力の向上に努めていきたい。
・多くの教師が限られた条件の中で必死に頑張っていることを知ってほしい。
《意見・提案》
・特別支援教育コーディネーターは、専任とした上での人材確保と専門性の養成が必要である。
千葉県PTA連絡協議会 《取組みなどの状況》
・まだ学校設備のバリアフリーが進んでおらず、教師と生徒の人海戦術で手伝っているのが実情である。
《意見・提案》
・学校行事の中で、どんな児童にも一人一役をつけて思い出作りを行うことが重要である。
・子どもたちによる障害者差別はほとんどないのではないかと思うが、保護者の意識改革をする必要がある。子どもは親の悪いところを見てしまう。子どもの目から見て悪いところを直していこうと思う。
(社)千葉県医師会 《取組みなどの状況》
・これまでも、身体的・精神的障害にとどまらず疾病による障害にまで範囲を広げ、様々な形で取り組んできた。
・医師が障害者一人一人の特性を理解し、円滑に診療を行い、障害者が適切な医療を受けられるよう、「受診サポート手帳」作成事業にも積極的に関わった。
・高齢の障害者に対する「認知症(痴呆)−相談・診療の手引き」を作成した。全国各地で同様のものが作られているが、これほど充実したものはないと自負している。相談、スクリーニングテスト、医療機関名簿、関連機関名簿に加え、「成年後見制度」について解説したことは高い評価を受けている。
《意見・提案》
・これらの取組みに満足することなく、さらに努力していきたい。
(社)千葉県歯科医師会 《取組みなどの状況》
・巡回診療車「ビーバー号」による施設巡回診療、口腔衛生指導などを行っている。
・歯科医師の教育課程では、障害者疾患学の講義があり、合併症などケース別の対処法、接し方などを学ぶ機会がある。
・現在、障害者診療を率先して行っている有志を集めて名簿を作っているところである。
《意見・提案》
・健常児・者と同質の歯科医療が受けられる環境作りが求められている。
・各地域における役割分担とネットワーク作りが重要となる。
・障害児者の特性を考慮し、工夫を加えた形で取り組む。
千葉県飲食業生活衛生同業組合 《取組みなどの状況》
・障害者が障害のない人と同じようにランチを食べたり、スナックでお酒を飲んだりするにはどうすればいいか考えているが、障害者の方が入店すると、一般の方と摩擦が生じてしまうのが現状である。
・非常に狭小な家族経営の店では、ハード的にも経営的にも、バリアフリー化や人材の確保を進めることは困難な状態である。
《意見・提案》
・障害者が地域で消費活動をする際に、消費者として捉えて対応できるような店作りを目指していきたい。
・個人の力では限界があるので、行政の支援が必要。公共施設での営業規制の緩和などをお願いしたい。
・障害者が地域でバーや喫茶店などを開くといった社会参加活動に対してノウハウの提供など、できる限りで協力も可能と思われる。
千葉県弁護士会 《取組みなどの状況》
・高齢者・障害者支援センターで社会福祉協議会の相談事業などを行っている。
《意見・提案》
・あえて困難なことを行うのも、社会を変えていく試みとして意味はある。
・しかし、原則として、私人間の法律関係を強く規制することは、国の法律で行うべきであり、条例では困難であると考える。
・罰則規定を設けることには賛成しがたい。どのような行為が処罰の対象になるか不明確であり、一般の人の共感も得られないのではないか。

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